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海豹の歌

ダーン・ナン・ローン」に出てくるユイスト島のMacCodrum一族は実在の氏族であり、海豹の血を引くという言い伝えも実際にあったようです。

スコットランド北部、オークニー諸島やシェトランド諸島には、人間に姿を変える海豹の妖精セルキーの伝説が伝えられています。人間の姿になったセルキーは男女ともに美しく、ときに人間と結ばれるといいます。セルキーの女は、陸に上がって脱いだ毛皮を取り上げられてしまうと海に帰ることができず、人間の男の妻となるが、後にふとしたことで毛皮を見つけて海に帰ってしまうというパターンは、日本の羽衣伝説に似ています。

そういえば、映画化もされたロザリー・フライの小説「フィオナの海」も、このセルキーの伝説を下敷きにしていました。映画の舞台はアイルランドに移されていますが、原作の舞台はスコットランドの島嶼部です。小説も映画もほのぼのとしたよいお話で、昔、岩波ホールで公開された映画を見たときに、島の風景がなぜかとても懐かしく感じられたのを憶えています。

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【更新情報】フィオナ・マクラウド「ダーン・ナン・ローン」

Web サイトにフィオナ・マクラウドの「ダーン・ナン・ローン」の翻訳を追加しました。
前に載せた「選ばれし者」の続編で、七兄弟の下の三人が出ています。

「ダーン・ナン・ローン」とは、「あざらしの歌」の意。
マクラウドらしい死と狂気に満ちた物語。海の情景が美しいです。

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